皆さんも聞き慣れた病気「糖尿病」について解説していきます。
糖尿病は浮腫みが出る場合が多く、訪問マッサージの現場でもよく遭遇する疾患になります。
糖尿病とは?
血糖値を下げる作用があるインスリンというホルモンの作用が不足することで引き起こされ、慢性の高血糖状態をきたす病気です。
通常では食事で血糖値が上昇しても2時間程度で空腹時と同等まで下がりますが、インスリンの分泌低下やインスリン抵抗性がみられると空腹時の血糖値も次第に上昇します。
血糖とインスリンについて
私たちが食事をすると、栄養素の一部は糖となって腸から吸収されます。寝ている間など、食事をしない時間が続くときには、主に肝臓により糖が作られています。糖はからだにとって大切であり、食事をしたときも、食べていないときも、常に血液中を流れています。糖は血液の流れに乗って、からだのあらゆる臓器や組織へめぐります。
血液中をただよい、筋肉などの細胞までたどり着いた糖は、同じく血液中に流れていたインスリンの助けを借りて細胞に取り込まれます。取り込まれた糖は、私たちのからだが活動するためのエネルギーの源となります。
インスリンは細胞のドアを開ける鍵のような役割を果たしています。インスリンの働きによって、細胞の前まで到着した糖はすみやかに細胞の中に入り、糖は血液中にあふれることなく、血液中の糖の濃度は一定の範囲におさまっています。
糖尿病の種類
糖尿病は不摂生が原因で、大人の病気と思われがちですが、実は2種類あり、必ずしも大人だけが罹患する病気ではありません。
*Ⅰ型糖尿病
自己免疫異常によりインスリンを合成する膵臓のランゲルハンス島β細胞が破壊されインスリンが分泌されないタイプです。
8歳~12歳での発症が多く、生涯インスリン治療が必要になります。
*Ⅱ型糖尿病
糖尿病の98%を締める、40歳以降に多くみられるタイプです。
インスリンの分泌低下や抵抗性により筋肉内での糖の利用が減少し、高血糖となります。Ⅱ型は家族性があり、日本では50歳以上の人の約10%が罹患しています。
インスリン分泌低下
膵臓の機能の低下により、十分なインスリンを作れなくなってしまう状態。細胞のドアを開けるための鍵が不足しているので、糖が中に入れず、血液中にあふれてしまいます。
インスリン抵抗性
インスリンは十分な量が作られているけれども、効果を発揮できない状態。運動不足や食べ過ぎが原因で肥満になると、インスリンが働きにくくなります。鍵であるインスリンがたくさんあっても、細胞のドアのたてつけが悪く、開けることができません。この場合も、血液中に糖があふれてしまいます。
糖尿病ではこの2つが影響して、血糖値が高くなってしまいます。
なぜ血糖値が高いといけないの?
糖は人間の活動に必須のエネルギーですが、血中にある状態では使えません。インスリンの働きで血中から細胞内に取り込まれることでエネルギーとして使用できるようになります。
インスリンが分泌されなかったり、分泌されても細胞へ入るための玄関口が反応しなかったり(インスリン抵抗性)すると血中の糖分濃度が高くなります。高血糖の状態は動脈硬化になり易く、血管の中に水分も増え、高血圧にも繋がります。
糖尿病の症状
症状がなく糖尿病になっていることに気がついていない方も多くいますし、かなり血糖値が高くなければ症状が現れません。
高血糖における症状は、喉が渇く、水をよく飲む、尿の回数が増える、体重が減る、疲れやすくなるなどです。
ただ、さらに血糖値が高くなると意識障害が起こることもあるので注意が必要です。
症状がまったくないまま健診などで糖尿病が判明する方もいれば、急に高血糖の症状が現れて糖尿病が判明する方もいます。また、眼や腎臓の合併症の症状が現れて、初めて糖尿病と診断される方もいます。
糖尿病の診断
早い時期に見つけて、血糖コントロールをすると、糖尿病の合併症を防ぐことができます。健康診断は、糖尿病を見つける、一番身近な方法です。
糖尿病の予備群や、メタボリックシンドロームについても、早めに気が付いて食事療法や運動療法を行うと、糖尿病の発症を防ぐことができます。
ほかにも、糖尿病とわかるきっかけはさまざまです。
- 献血に行ったら、糖尿病の疑いと言われた
(献血では、血糖の指標であるグリコアルブミンを検査します。) - 高血糖の症状がでた
- 糖尿病の合併症がわかった時に、初めて糖尿病を指摘された
(糖尿病の急性合併症、糖尿病の慢性合併症) - 妊娠をした時に高血糖が見つかった
などがありますが、高い血糖値がからだに悪い影響を及ぼす前に、早く見つけて、生活習慣の改善や治療をするのが理想です。
多くの場合、糖尿病になるときは、ある日突然、血糖値が高くなるのではありません。
はじめは正常範囲の血糖値だったのが、少し高くなり、徐々に糖尿病の範囲まで高くなってきます。
正常から糖尿病になるまでの段階は、血糖値の高さで、正常型、境界型、糖尿病型と3段階に分類されます。糖尿病型が2回確認できる、など一定の条件を満たして初めて、糖尿病と診断されます。
具体的な診断基準
- 空腹時血糖値(10時間以上絶食後の、早朝空腹時の血糖値)126mg/dL以上
- HbA1c 6.5%以上
「糖尿病型」が同日または別の日に2つ確認されると糖尿病の診断となります。
「糖尿病型」をみとめた方は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
糖尿病は合併症が怖い
糖尿病は放置すると危険な病気ですが、糖尿病そのものが原因で亡くなる方は意外と少ないです。
ただ、適切な治療を受けずに放置していると様々な合併症が引き起こされ、危険な状態になります。
*糖尿病性腎症
腎臓は、血液中の老廃物や不要物を尿中に排出し、必要なものは吸収して血液中の状態を適正に保つ働きがあります。
この働きが悪くなると尿毒症になり、人工透析が必要になります。現在、新規の人工透析患者で最も多いのが糖尿病性腎症の患者さんです。
*糖尿病性網膜症
人間の目はカメラの構造に似ています。レンズの役割を担う網膜が、高血糖によって障害され、最悪の場合は失明に至ります。
糖尿病により脆くなった血管にドロドロの血液がダメージを与えて出血することが、多くの網膜症の原因となっています。
*糖尿病性神経障害
糖尿病で粘性が高くなった血液が毛細血管の血行を阻害し、多くは足の裏の痺れが引き起こされます。これを放置すると感覚がおかしくなり、小さな傷などから細菌が入り最悪の場合は手足などが壊死してしまい、切断を余儀なくされる場合があります。
治療方法は?
Ⅰ型糖尿病の場合、インスリンを分泌するβ細胞が破壊または消失しているので、治療としては定期的かつ適切なインスリン補充になります。
Ⅱ型糖尿病は生活習慣によるものがほとんどなので、重症の場合は投薬治療が選択されますが、多くは食事療法と運動療法が中心になります。以前はカロリーを抑える食事療法がメインでしたが、最近は炭水化物を制御すれば良いという考えで、副菜などの制限は無い場合もあるそうです。
運動療法は、合併症がある場合は控え、医師と相談しましょう。許可が出れば、歩くことから始めることをオススメします。
膝や腰が悪い方は水中でのウォーキングも良いでしょう。運動は血糖値だけでなく、血圧やコレステロール値も適正値まで改善する効果があります。
前述の通り、怖いのは合併症です。そこまで進行しないようにコントロールすることが大事になります。
糖尿病の施術の流れ
お問合せ
無料体験のご希望、質問など
「お問合せ・ご予約」フォームより送信下さい。
直接TEL、LINEでのお問合せでも大丈夫です。
翌日までには、返信させて頂きます。
無料施術体験
無料体験日程を決め、実際に無料施術を体験して頂きます。
その時に、身体や疾患の事を詳しく聞かせて下さい。
その後、検査をしてマッサージ施術を体験して頂きます。
最後に、同意書について丁寧に分かりやすく説明させて頂きます。
医師から同意書をもらう
かかりつけ医もしくは普段通院している先生に、同意書の作成を依頼してください。
同意書を依頼する医師が決まりましたら、こちらで医師に対するご依頼書と同意書をご用意いたします。
同意書が発行され次第、施術開始になりますので
お電話・メールにて同意書が届いた事をお伝えください。
初日の日程、時間を決めていきます。
訪問マッサージ施術スタート
初回は、再度、問診と検査をして
身体の状態を細かく把握させて頂き、
ご利用者様のご希望と合わせて治療方針を決めさせて頂きます。
その後、初回治療になります。
糖尿病と訪問マッサージのメリット
糖尿病だからといって、全ての方が訪問マッサージの対象になるわけではありませんが、糖尿病によって下肢の浮腫みがあり、歩行が難しい場合や、糖尿病による神経障害で足の痺れがある場合などは訪問マッサージの対象になる可能性があります。
気になる方はお気軽にご相談、ご連絡ください。